愛妻弁当と通い箱

著者: エイム研究所 矢野 弘

私はサラリーマン時代、毎日、いや出勤の日は愛妻弁当であった。いつもかみさんは献立に悩んで、だんなが嫌いな材料も盛り込んで、いかにおいしく?、安くを目的につくっている。いつも、弁当を持っていくため、アタッシュケースを持って通勤している。アタッシュケースの中は、この弁当と作業服の着替えが主で、返りは、汚れた作業服と空の弁当箱である。

 独身のころは、出勤の途中でよくホカホカ弁当を買って行ったものである。この時の箱は発泡スチロール製で横に傾けると、中の汁がこぼれ、非常に取り扱い難く、食べると返さずにごみ箱にポイッとなる。独身のころはあまり気にしていなかったが、もったいない話である。

 

結婚して直ぐ必要になり、さっそく弁当箱を買いにいった。いろいろあったが、一度買うと、何年も持つため慎重に選ばないと、小さいと夕方には腹ぺこになるし、大きいと食いきれず残してしまい、かみさんに叱られてしまう。弁当箱の中は一杯に詰めておかないと、かたよってグチャグチャになり見た目、食べる気がしなくなる。かといって、使い捨ての折り箱や発泡スチロール品は単価は確かに安いが、長い付き合いだと高くつき、給料の数%は弁当箱に消える。

 

時々、弁当箱を会社に忘れてしまうことがあった。1つしかなかったので、次の日は弁当無しとなる。空の弁当箱を持って帰らないと、次の日にはつくってくれない。めんどくさいとはいえ、弁当を3日分持っていって、2日間はかみさんは休み、といったロット生産をしていたのでは、弁当が腐ってしまうし、大きなアタッシュケースが必要となったり、もしかすると出張で食べれない日があると、仕損となるかもしれない。

 

仕入れ先から部品を買うとき、ダンボールか通い箱かで議論する場合がよくある。今流行りの「世界最適調達化」で数字上は安く調達できても、梱包材料・作業・開梱作業・廃棄処理・詰め直しで製造への供給など、その部品を使うまでのフローで見たコストが高価になる事があります。長い目で見て検討してください。
 また通い箱化しても返却を怠ったり、通い箱を物入れに使い数が不足して納入できなかったり、汚れたままで中の部品が使えなくなったり、しっぺ返しはみなさん体験していると思います。いや!調達担当と実際に部品を扱う担当は別なので気づかないかな?・・・

 

通い箱 7カ条

1.通箱は器である
2.器を使えば品質が保たれる
3.通うことで流れができる
4.通いを多くすれば安くなる
5.通いを早くすればリードタイムが短くなる
6.かんばんを着けると情報も運べれる
7.情報を運べば物を管理(制御)できる
 毎日通うことで、信頼関係が通います。

 

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