2007年3月
清掃し易さの工夫(清掃用具の手入れも生産性と品質向上の要)
著者: エイム研究所 矢野 弘
ゴミを集めてみると
ホウキで清掃してゴミを集めてみると最も多かったのはホウキの穂先が欠けたものであった。最近のホウキはすぐに磨耗してボロボロになり曲がってしまい自らがゴミになり掃除しにくい形になる。その状態のまま清掃作業するとても効率が悪い。なかなか集まらないので何回も勢いをつけて掃くことになる。転がるような部品でも落ちているとホッケーをしているように隣の職場に飛んでいく。
切削職場などでホウキを使うと穂先に切り粉が絡み、掃いた勢いでどこかに飛んでしまう事がある。機械の下の隙間に入ってしまうと清掃できず吹き溜まりとなる。
清掃は押すのではなく引く
清掃するときにエアーガンで吹き飛ばしている行為がよく見受けられる。たしかに吹き飛ばしたところはきれいになっているが、いったい吹き飛ばしたゴミはどこに行ったのやら。実際は清掃したのではなく散らかしたにすぎない。清掃はまき散らす押すではなく集める引くが原則である。
ゴミは常につくられている
生産すると必ず切り粉や端材が発生しする。それも一つ加工するごとに発生する。清掃しないで加工し続けると製品や設備、床や人までもゴミに囲まれてしまう。耐えきれなくなると不良になるか故障するか怪我をするかに確実に向かっている。やはり清掃は1サイクルに1回の一作業一清掃が基本となる。そうなると標準作業のなかに清掃も入れる事になるので清掃し易さの改善も必要となる。
道具としては市販のホウキや塵取りでは知恵を働かした事にならない。工程や作業に合ったオリジナルな清掃具を考案したいものだ。
ものづくりのサイクルの終わりに清掃が必然的に入る工夫をすると、結果的に品質も維持でき、安全も保たれ、スムーズに稼働できるため生産性も良くなる。
清掃用のダクトを取り付け、まき散らすエアーガンをできるだけ使わない
改善中
巻き散らさずに吸う
向かいのシュートに切り粉が落ちてごみ箱に落ちていく。
改善前
改善中
一作業一清掃で異物混入防止(なかなか良好)
清掃作業に必要な道具を手元化(トイレ)