七つの第一(1/4)

著者: エイム研究所 矢野 弘

1. 人は健康第一
2. 作業は安全第一
3. 物は品質第一
4. 設備は整流第一
5. 事はタイミング第一
6. 改善は誠実第一
7. 経営はバランス第一

今日も元気だ! 会社の空気がうまい!
ということに毎日なればいいが、会社の中を見渡すと「品質第一」「お客さま第一」「安全第一」と、至る所に“第一”がいくつも掲示されている。しかし、社長は普段、生産性を上げろとか、もっとコストダウンしろとか、「お金が第一」のように口では言っている。

ならば「原価低減第一」とか、「生産性第一」と掲示すればいいのにと、社長に突っ込みたくなる。

 

● 頑張って我慢

 私は生産部門の計画と部材の調達のリーダーである。グローバルな時代になり会社の起死回生のため重要な課題を託されている、と自認している。毎日、部下も残業続きで頑張っているので、私も頑張っている姿を見せるため最後に帰ることにしている。

 風邪が流行り始め、子供からうつされたのか分からないが、私も少し熱があるようだ。やらなければならない仕事があるので薬で熱や咳を抑えて我慢して出勤したが、ボーとして何も考えがまとまらない。部下に風邪をうつしてしまったのか、何人かだるそうに仕事をしている。

倉庫・海外・返品

● コスト優先でまず行動

円高もあって、部材のコストダウンのために海外調達に切り換える方針を立てた。最初に、数量のある部材から調達を試みた。すると単価は半分に下がった。社長に報告すると喜び、展開計画と目標を立てろと指示を受けた。

いろいろな部材を海外調達に切り換えていくと、部材の不良品が目立ち始めた。それを送り返すのもコストがかかるし、生産が止まるのも嫌なので、手直しをして供給することにした。

国内の調達では不良はほとんどなかったし、出てもすぐに仕入れ先が対応したので混乱はなかった。しかし、海外調達が増えるに従い不良の絶対量も増えて、手直しというムダな仕事も増えてきた。手直ししてでもコストダウンになるので続けることにした。部材の単価が安くなっているので、かなりコストダウンできたと思っている。

会社の方針でさらに海外調達を増やすことになった。品質の件は随時改善の要求をしているが、半年前につくったものが送られてくるため、原因は分からず対策はとれていない。流通しているものも含めて全数量を再検査させると、納期に間に合わない。仕方なく、不良があると分かっていても納期を優先させた。

時々、納品した部材が全量不良のときもある。現場からは苦情が絶えないが、なかなか良くならない。いつのまにか現場に手直しラインができてしまっていた。手直しが間に合わない物は外に梱包したまま保管している。

海外調達

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