七つの第一(2/4)

著者: エイム研究所 矢野 弘

● 生産優先

不良が多くなったし調達リードタイムが長いので、リスク管理のために早め多めの部材の調達計画を立てて対応している。スムーズに入手できた時は多量の在庫になっているが、安く入手できているので外部倉庫を借りて対応することにした。

生産計画の変更や生産現場の残業で疲労が蓄積して風邪を引く人が多く、休む人も増え、生産量が落ちてきた。とうとう疲労で怪我人も出始めた。生産のネックになっている工程の設備を空いた所に導入していった。

レイアウトは悪いと分かっているが、古い設備を移動させると移動のコストで設備が買えるぐらいなので、そのまま設置して生産を続けることにした。

 

設備も時々故障して生産停止があった。そこで中間に仕掛かりを持つようにして、少々停止しても生産全体に遅れが発生しないようにした。各工程が離れているので工程ごとの生産計画が必要になり、その担当を増やすことにした。

工程ごとの生産能力が合わず、1台しかない設備はまとめて生産する計画になり、至る所に物の停滞が発生して、置き場所の確保や運搬作業が多く発生しだした。狭くなったので製品用の倉庫を借りて、そこから出荷するようにした。

物流が大変なのでフォークリフトを買って効率化した。在庫管理も営業に任せて、私は工場主体で頑張るようにした。

 

● どの会社もやっていて

  乗り遅れてはいけない海外移管や調達もほとんど進み、コスト削減の改善が進んだように思うが、さらにと言われると、もっと人件費の安い海外で生産することになるか、安さを優先した調達先を探さないといけなくなる。

それをすると、どうなるやら……。改善でコストダウンといっても海外だし、自社でもないし、改善させるにも値引き要求だけしかできない。新商品のモデルチェンジの時期が来た。

新しい技術で設計したもので、初期段階からコスト削減を狙って、今、海外調達している業者に見積もりをした。すると技術的にできない。もしするのであるならば技術支援してほしいと要求してきた

企業といえど人間関係

● 仕事を断るとはけしからん

仕方ないので、前につくってもらっていた国内の業者に見積もり依頼した。すると「御社の海外移転で仕事がなくなりリストラをしたので生産できない」と返事がきた。せっかく仕事を持って行ったのに断るとは。今後も頼むのをやめておこう。

しかし、内製化しようにも設備がないし、これでは新商品がつくれない。部下に新しい業者を海外も含めて探せと走り回らせる日々が続くようになった。

 

 

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