ホーム>ブログ>2020年6月

2020年6月

物づくりの小話し、あれこれ 91話「聞き方教室」はない

物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様) 91話

91.「聞き方教室」はない

 世の中に「話し方教室」というのはよく聞くが、「聞き方教室」というのはない。
話し方の方は、テクニック、技術を訓練すれば何とかなる。
しかし聞き方の方は、特別なテクニック、技術はなく、人を受け入れる力、大きく言えば人間力
そのものである。
指導や説教も「また始まった…」では一方的で効果なし。
社長の話しは聞くが、部下の言うことは聞かない。
新規の店でも、儲かってくると、お客の言うことを聞かなくなる。
地位が上がるほどに、聞く耳を持たなくなった。
等々、例はいくらでもある。
 話し方上手な人は多いが、聞き方上手な人は少ない。
部下がいったことはよく聞く。
子供がいったことはよく聞く。それが大切である。
人の意見を聞くことが、人づくりの原点であり、心の底から聞くという努力が必要だ。
云って教えるのではなく、聞いて教えるという人こそ、達人である。
 

地政学を経営に⑪ 「欲張りは騙される」

社会主義国の目的は体制の維持で手段は善悪を問わず行う特徴があります

社会主義国は選挙で代表が選ばれるのではないため、国民を犠牲にして政策ができます。そのため感染防止は生活を犠牲にしてでき、ワクチンなど人命を問わずに早急に開発できます。

善かれ悪かれ速いという特徴があります。結果だけ見て良いと判断するのは危険で、とった手段が善い行いかを評価することです。

どんなに良いワクチンが開発されても各国の政治家や経済人は手段を見ることです。

結果だけを見て、得すると判断し係わると手段の部分で手先に扱われ、抜け出せなくなり騙されていきます。

私の合点がいく一言のひとつで「欲張りは騙される」と経営者に注意しています

地政学を経営に⑩ 外貨の使い方 一帯一路

地政学を経営に⑦ 外貨の使い方 一帯一路

一帯一路で貸し付けたお金はドルです。

現地の建設には中国企業とくに国営企業が入り、貸したドルで工事を請け負いさせます。労働者も中国人を連れていきます。

現地国は借りたドルで支払います。中国企業はドルの収入のため中国国内では使えません。

そこで共産党銀行に両替を頼みます。共産党銀行は人民元を印刷して渡します。するとドルは共産党に戻ります。

現地国は中国建設企業に工事費を払いましたが、これは借金の返済ではないので、借金だけ残ります。

返済された分ほど共産党にはドルがさらに増えます。現地国が返済不能に陥っても、ドルは回収しているので財務的には無傷です。

人民元印刷費用は実質的に口座に数字を振り込むのでコスト0です。

借金の返済できない国は、恐喝的に中国の権利を認めさせて有利な仕組みに組み入れます。

悪くどいとは思いますが、日本も似たような仕組みを活用して発展してきました。

ただ日本は現地の企業をできるだけ活用し、現地人を雇い、現地にも外貨が入り、投資したものが現地でさらに経済を発展できるように、相互依存=共存するような仕組みで活用してきました。

ある程度返済されたら、「借金の返済不要」と現地国をさらに助けます。現地国は自ら日本との交易に対して優遇処置をしていただきました。

中国共産党とは異なります。

 

外国にどれだけ投資できるかが影響力であり国力になります。

外貨、特に基軸通貨のドルだからできます。日本は外貨を多く稼ぐために消費税の仕組みを上手に活用しています。

「政府の錬金術」というタイトルでいつかコラムに載せます。

物づくりの小話し、あれこれ 86~90

物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様) 86~90

86.同窓会での待ち合わせ

 女子学園の同窓生が、大阪駅中央の噴水前で、午前11時00分に待ち合うことになった。
Aさんは、大阪市内で地下鉄を利用すると30分で着ける。
Bさんは、パスとJRを乗り継いで、50分かかる。
Cさんは、少し不便なところに居て、帰りのことも考え、車でくるという。うまくいっても90
分は考えておかないといけないようだ。
Dさんは、遠いところに住み、JR、新幹線を利用して来る。3時間はみておかないといけない。
  おのおの移動時間、パス・列車時刻、交通渋滞なとを予測して、家を出る。
これは移動時間だけの話しで、化粧したり、着替えしたりする時間をさらに見積もっておかない
といけない。お洒落な人は美容室へでかけるかも知れない。
 JITとは、この4人が、大阪駅中央の噴水前にいかに効率よく集まるかということである。
こんな風に考えると
 ・リードタイムが短く
 ・バラツキが小さく
 ・乗り継ぎの手待ちがなく
 ・前準備をしっかりやっておく
ということが大切である。
この噴水前の指定の時刻が、ダイハツ工業のライン上の車であり、4人はその工程で使う部品と
考えると解りやすい。不利な条件の人は、随分前に着いたり、遅れたりしてしまう。

88.時間測定とベテラン
                                   、
 Kという工程のタイムスタディをA直でやったとする。N=5回(62”60”58”63”
60”)で、平均すると、60.6”であり、バラツキは5”もある。
シフトが変わって、裏番のB直の人でK工程のタイムスタディをやったとする。
この方はベテランでN=5回(58”・57”57”58”56”)で、平均すると57.2”で
あり、バラツキは2”である。
さて、この工程の仕事量はいくらと見たらよいのだろうか?
 基準という見方をすると2つの視点がある。
この工程は、45”でやらないと、採算が合わないとすると45”が基準。
タイムスタディをベースに基準を決めるとするなら、ベテランの一番速い、56”が基準。
ということになる。
すなわち、今時点で「ありたい姿」を基準においたら良いのである。
 そして「ありたい姿」と「今の実力」の差が問題点であるととらえれば良い。
基準を56秒にしたことと、A直の人がその基準でやれるということとは別問題である。
基準で、物造りができるなら、楽なのだが……。

89.素人の方が良い

 自主研では、そのショップのベテランと、ショップとの関わりが薄<て、素人に近いメンバー
と混成チームになることがある。
これも、自主研のよいところの1つで、素人は新しい仕事に興味を持ち、知ろうと努力する。
そして純粋に見るのである。
 塗装のホコリ、プレスのゴミカミ、鋳物の巣穴など、関係した人は、その難しさが解りすぎて
いて「多少、でるのは仕方がない」と、どこかに許容している「スキ」がある。
しかし、素人は、シンプルに「なぜ?突然でるのか」判っているものから「なぜ押さえられない
のか?」と考える。
「よくないことは(できない理由)、知らない方が良い」ということもあるのである。
素人から突っ込まれて、ベテランの方が「タジタジ」になっている場面を見かける。
また、その素人から、良いアイデアが出ることも少なくない。
 素人の参加、歓迎である。

90.面接とよそ行きの姿

 普通の面接官(者)は、入ってくるところを色々観察し、面接が終わると、メモしたり、評価
シートに記入したりして、出ていく姿は観察しない。
よい面接者は、入ってくる時に、前者の評価のために下を向き、面接終了後の出ていく姿を、し
っかり観察する。
要は、「入ってくる時はよそ行きの姿であり、出ていく時は普通の姿にもどるから」だと言う。
ホテルのチェックインも馬鹿騒ぎして入る人は少ない。チェックアウトの時に、部屋のあと始末
やその他の言動で人柄が判る。入学式と卒業式もしかりである。
 職場も同じで、入り口の現状把握や調査だけだと、よそ行きの姿をみ世るだけである。
現場の中にとけ込んでも、同じ状態であれば、本当にすばらしい職場である。

ページ上部へ