2020年8月
物づくりの小話し、あれこれ 95話 「働き易い」のごろあわせ
物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様) 95話
95.「働き易い」のごろあわせ
優しいラインづくり、ゆとり感、働きやすい職場環境や作業など、作業者の立場に立ったものの
考え方が定着してきた。そこで一つ、ごろあわせ
は:はやく … 正味作業の低減
た:たしかに … 品質確保
ら:らくに … 悪い姿勢・重筋・イライラ作業の排除
き:きれいに … 整理整頓
や:やすく … 原価低減
す:すすんで … 自主性、積極性
い:いつも … 継続は力、標準化
地政学を経営に⑫ 基軸通貨ドル
それぞれの国には通貨がある。通貨が弱いと外国から買い物ができない。
内需だけの自給自足だと原始時代に戻ってしまう
豊に発展しようとすると、外国に売れるものが必要で、お金はいろいろな国に通用する通貨で支払ってもらいたい
アメリカの通貨のドルは今のところ基軸通貨なので、支払いはドルが良い
基軸通貨になるための条件は
(1)軍事力が強大で戦争しても負けない。その国の通貨が紙くずにならない
(2)通貨に対し、多くの国が必要とする物の価値を接続する。その通貨でないと買えないようにする
(3)他国が得たその通貨を買い取り(国債)、金利を付けて、持っているだけで得するようにする
この3つができる国は今のところアメリカしかない
ユーロは(1)と(3)はできるが2が無いので程々通用する
日本円はアメリカの軍事力をバック(1)に技術力での日本オンリー商品(2)で経済的に日本より弱い国には通用する
中国には何もない。せいぜい、どこも低コストのため自国生産しなくなった生活必需品が(2)ぽい感じがする
基軸通貨としてアメリカが(2)を強固にするためにとった方法は、まず最初にドルと金をくっつけて金の取引はドルでないとできないようにしました
しかし、より経済を大きくしようとすると金の埋蔵量には限界があるため、もっと経済で必要で量もある石油とくっつけて、石油はドルでないと買えないようにしました
石油の価格も自国の石油を利用し、さらに中東の産油国同士を争わせてコントロールするようにしました
最近、ドルが弱くなったと思っている人がいますが、省エネやエネルギーの多様化とで石油の消費が停滞しているからです
技術発展で、車も飛行機も電気で動くようになり、ますます石油離れになります
このままにするとドルは弱くなります
今、アメリカはドルを次に何とくっつけたら良いか開始し始めました
それはドルと軍事力です
兵器はドルでしか買えなくして、守ってもらおうとしたら駐留費をドルを払えと
日本や韓国、ドイツに駐留費を大きく値上げ要求しているのがその兆しです
(2)とは完全なビジネスのことなのでアメリカにしか依頼できない状態をつくれば(2)は強固になります
ミサイルやステルス戦闘機など直接の兵器・駐留軍隊・サイバー兵器・宇宙兵器など最先端のものを常にそろえると、常にセットで売れます
兵器は実際に戦争が無くても、緊張状態さえあれば売れます
アメリカとしては買ってもらいたい国の隣国を「悪」にすれば「必要」は生まれます
ビジネスとは、一つは、いかに必要を創り出すかです
ドルは金→石油→軍事力と移っていきます
金はどうなったかというと、世界のほとんどの金はアメリカに保管されています
日本は多くの金を持っていますが、実際の保管の多くはアメリカです
石油に移り変えたとしても金は手放しません
当然、石油から軍事力に切り替えても自国の石油は減らしません
ドルと石油との結びつきが弱くなると、中東の産油国周辺に変化が現れます
今まで、敵対するように工作していたことが弱まり、融和政策をするようになるでしょう
アメリカを嫌う産油国は中国に惜しみなく売るため、価格のコントロールを失います
そのための融和です
あくまで世界の悪にした中国がいないと軍事力の提供はできません
悪はやっつけるのですが、全くやっつけていなくなると、商売あがったりです
ビジネスとは継続的な必要の創造です
物づくりの小話し、あれこれ 94話 プラットホームの乗降客の流れ
物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様) 94話
94.プラットホームの乗降客の流れ
定位置停止をしっかり守っている工程は、定位置停止にもうすぐ到達する、というタイミングで
作業者が一斉にポデーから離れ、そして部品集めに入る。
定位置停止を越えて、すこしすると、部品をもった作業者が一斉にホデーに近付いて、組み付け作
業を開始する。これが組立ラインの現時点でのありたい姿である。
ラインサイドに立って、このような目で作業者の流れを見ていると、概ね良いラインか、課題の
多いラインかの見当がつく。
そのさまは、「プラットホームの乗降客の流れ」と似ている。
プラットホームに着けば(定位置停止にくれば)一斉に降り、しばらくすると一斉に乗車して、
スタートする。プラットホームには(ラインサイドには)人影がない。
解説 定位置停止
コンベアラインで、作業上のトラブル(作業遅れ、品質トラブル)などを発見した時、
定位置停止用スイッチを入れると、コンベアはすぐに停止しないで定められた位置まで
進み停止するようにした仕組みをいう。
物づくりの小話し、あれこれ 93話 かまきりは7回脱皮する
物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様) 93話
93.かまきりは7回脱皮する
年度スローガンは≪流れを変えて大きく前進≫である。
新社長の挨拶要旨の中にも、「保守から変革」「温故知新」「変革に活路を求める」など、変革に
よる活性化、のお話しが多く織り込まれている。
昆虫の世界でいう「脱皮」である。
成虫になるためのプロセスであり、大仕事である。うまくいかないと「死」を迎える。
まさに生死をかけた「脱皮」である。
通常の昆虫は、数回の脱皮で立派な成虫となるが、「かまきり」は特殊で、七回も脱皮を繰り返す。
今回のダイハツの「変革=脱皮」は、成虫直前の脱皮でなくてはならない。
見事な強い羽をつけ、飛び回れる成虫にならなくてはならない。
「変革」「変革」の掛け声だけに終わると、「かまきり」の脱皮と同じで、なかなか成虫になれな
い。7回もかけて脱皮する余裕はない。