地政学を経営に⑫ 基軸通貨ドル

それぞれの国には通貨がある。通貨が弱いと外国から買い物ができない。

内需だけの自給自足だと原始時代に戻ってしまう

豊に発展しようとすると、外国に売れるものが必要で、お金はいろいろな国に通用する通貨で支払ってもらいたい

アメリカの通貨のドルは今のところ基軸通貨なので、支払いはドルが良い

基軸通貨になるための条件は

(1)軍事力が強大で戦争しても負けない。その国の通貨が紙くずにならない

(2)通貨に対し、多くの国が必要とする物の価値を接続する。その通貨でないと買えないようにする

(3)他国が得たその通貨を買い取り(国債)、金利を付けて、持っているだけで得するようにする

この3つができる国は今のところアメリカしかない

ユーロは(1)と(3)はできるが2が無いので程々通用する

日本円はアメリカの軍事力をバック(1)に技術力での日本オンリー商品(2)で経済的に日本より弱い国には通用する

中国には何もない。せいぜい、どこも低コストのため自国生産しなくなった生活必需品が(2)ぽい感じがする

基軸通貨としてアメリカが(2)を強固にするためにとった方法は、まず最初にドルと金をくっつけて金の取引はドルでないとできないようにしました

しかし、より経済を大きくしようとすると金の埋蔵量には限界があるため、もっと経済で必要で量もある石油とくっつけて、石油はドルでないと買えないようにしました

石油の価格も自国の石油を利用し、さらに中東の産油国同士を争わせてコントロールするようにしました

最近、ドルが弱くなったと思っている人がいますが、省エネやエネルギーの多様化とで石油の消費が停滞しているからです

技術発展で、車も飛行機も電気で動くようになり、ますます石油離れになります

このままにするとドルは弱くなります

今、アメリカはドルを次に何とくっつけたら良いか開始し始めました

それはドルと軍事力です

兵器はドルでしか買えなくして、守ってもらおうとしたら駐留費をドルを払えと

日本や韓国、ドイツに駐留費を大きく値上げ要求しているのがその兆しです

(2)とは完全なビジネスのことなのでアメリカにしか依頼できない状態をつくれば(2)は強固になります

ミサイルやステルス戦闘機など直接の兵器・駐留軍隊・サイバー兵器・宇宙兵器など最先端のものを常にそろえると、常にセットで売れます

兵器は実際に戦争が無くても、緊張状態さえあれば売れます

アメリカとしては買ってもらいたい国の隣国を「悪」にすれば「必要」は生まれます

ビジネスとは、一つは、いかに必要を創り出すかです

ドルは金→石油→軍事力と移っていきます

金はどうなったかというと、世界のほとんどの金はアメリカに保管されています

日本は多くの金を持っていますが、実際の保管の多くはアメリカです

石油に移り変えたとしても金は手放しません

当然、石油から軍事力に切り替えても自国の石油は減らしません

ドルと石油との結びつきが弱くなると、中東の産油国周辺に変化が現れます

今まで、敵対するように工作していたことが弱まり、融和政策をするようになるでしょう

アメリカを嫌う産油国は中国に惜しみなく売るため、価格のコントロールを失います

そのための融和です

あくまで世界の悪にした中国がいないと軍事力の提供はできません

悪はやっつけるのですが、全くやっつけていなくなると、商売あがったりです

ビジネスとは継続的な必要の創造です

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