物づくりの小話し、あれこれ 106話 知識、見識、胆識

物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様)

106.知識、見識、胆識

 社内の講演会に、竹村建一氏が来て、「激動の時代を生さ抜くために…」というテーマで講演さ
れた。例の論調で手厳しく、日本の国民性、企業、経済、外交、政治等について論評し、国際社会
との関係についても言及していた。
 アメリカとの経済戦争、円高のくだりで
「知識」「見識」「胆識」という話しが出て、解り易かった。
「胆識」というのは、胆っ玉の胆です。
やはり第一に「知識」がなければいけない。知識がある程度あると、だんだん「見識」というもの
ができる。しかしそれだけではいけない。腹を決めて決断する「胆識」というものがいる。
という話しであった。
 当時の、宮沢内閣は経済通で、「知識」「見識」はあったが「胆識」が無かった。
今の村山内閣は、「知識」「見識」すら無いという痛烈な批評である。
生産の展開でも「知識」「見識」はあるが、「実施」ができていないとか、企業の企画・設投など
でも、採算計算でしか判断しないために、決断が遅れて、じり貧というようなことも少なくない。
「胆識」というのは、その人の生い立ち、資質、立場とか色々な要素はあるのだろうが、その前
提である、知識、見識を深めておくことが、「胆識」を生み出す活力となることは確かだと思う。

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