物づくりの小話し、あれこれ 107話 「まかせている」ってな~に

物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様)

107.「まかせている」ってな~に

 「君にまかせたから」「彼にまかせていますので」「まかせていたものですから…」
よく聞く言葉である。
「まかせる」ということは、権限を委譲するということである。
その上、「不都合があれば、当方が責任をとるので、安心して思いっきりやってくれ」ということ
でなくてはならない。
 ところが、「まかせている」のではなく、放任というか、無関心というか、あるいは本来自らや
らなければならないことを、人に押しつけているケースもある。
こんな時にかぎって不都合があると、責任をうまく逃れようとする。
 こんな風に考えると、「まかせている」なんて言葉は慎重に使わないといけないと思う。
「責任をとるから……」という言葉も、下位職なら「何らかの形で責任を…」と感じることでも、
上位職なら処置できることもあるだろう。
そんなのは「責任をとるから…」という事柄ではない。
「まかせています」「やらせています」は思い上がりかも知れない。禁句とした方が無難。

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