物づくりの小話し、あれこれ 第111 機械の前の未練

物づくりの小話し、あれこれ 第111 機械の前の未練

 仕入先の機械加工工程の改善での話しである。
改善前は、作業者の帽子の位置が高くなったり、低くなったり、右手を使ったり、左手を使ったり、
またマシン能力がなく機械の前で手待ちがあったりして、1サイクルのバラツキも大きく、まった
く「流れ」がなかった。
 多くの提案と職場の熱意で、
M/T能カアップ、設備のチョコ停対策、ワークの自動セット、はね出し、払いスイッチの位置、
それに動作改善、訓練、等を繰り返し、見違えるようになった。着々と作業が行なわれている。
しかし、よくよく観察すると
 1つの機械の前で、「未練」を残したような、手ばなれが悪い動きが見えた。
ほんの一瞬の動きである。
いままでの様な、ギクシャクした動きでは、とても見つけられないレベルの動きである。
作業者に聞いてみた。「ここを離れるとき、何か気になること(未練)ある?」
「時々ですが、ワークのセット不良があります」と返事がかえってきた。
とても嬉しくなった。熟知していない者でも、問題点を見つけられる工程になっていたのである。
 そんな素晴らしい職場であったので、即、対策したのは言うまでもない。

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