物づくりの小話し、あれこれ 第114 農耕民族だから、ためる(たくわえる)

物づくりの小話し、あれこれ 第114

114.農耕民族だから、ためる(たくわえる)?

 定位置序止を守って、追込み作業をしないように!中間仕掛り品をもたないように!
バッファ数は、もっと減らせないか!完成品は、何故こんなに、必要なのか?
工程をスリムにして、問題点を顕在化させるために、このようなやりとりが行なわれる。
余裕をもって仕事をしていたいし、トラブルがあった時のフォローに、少しは安全代として置いて
おきたい。ましてや、仕様差や補給部品の抜き取りなどがあって、平準化が守れていないとなると
ますます“ためよう”とする。
「人に迷惑をかけたくない」という気持ちが働いているのである。
一般生活での「貯金」と変わらない。日本は農耕民族だから、“たくわえる”のはお手のものだ、
誰だって「貯金」しているでしよう!それをやめさせようとしても無理だよ!
 このことで、悩んだこともあったが次のように考えることにした。
払たちの「貯金」も、福祉充実国となり、老後、養育、医療などの心配がなければ“たくわえる”
姿も変わる。
 かんばん方式も同じだ。作業が遅れたらきっちりリリーフする、設備トラブルは即、直す。
平準化は守れている、挽回能力もある。こんな仕組み(福祉国家)をつくれば、ためたり、たくわ
えたり、はしなくなる。
生産現場は、「ためたり、たくわえたり」すると問題点は見えない。
また、一人工の仕事を与え続けていれば“たくわえる”ことは出来ないはずである。
“たくわえている”ことは他のロスがあることを教えている。
蛇足であるが、当方の家計は、かんばん方式そのもので、貯えはない。(ロスがありすぎても、た
まらない)

ページ上部へ