2018年7月
地政学を経営に⑤ 中国人が望む資本主義経済としての市場開放
中国人自身が望む資本主義経済としての市場開放
中国の市場は人口が多く未発展部分が広いため、西側諸国の資本主義経済グループにとってはおいしい市場です
中国も未発展のままの貧乏暮らしは嫌なので、経済発展を望んでいます
市場開放を開始して外資の力を借りて、今まで発展し豊かになってきました
西側としてはもっと開放してほしいが、当の中国(共産党)は全体が植民地化されたくないので、社会主義という衣で封建主義的に防御しています
この防御のしかたが西側諸国にとっては不公平で理不尽な市場構造と規制の後追加で自国通貨としての利益を得にくくなっています
中国国内で儲けたお金は人民元であるため、会計上は利益になるが、本社の自国通貨に変える事が出来なければ、紙屑に等しい
中国としては人民元で儲けたお金は中国国内に投資してもらえば、もっと経済発展できますし、国内により多くの人民元を発行(印刷)できます
西側諸国は何とかドルやユーロそして円に変えて送金したいが、それをすると中国が輸出で稼いだ外貨が減ってしまいます
外貨が減ると中国としての海外投資が出来ないので「一帯一路」の構想は頓挫します
人民元で海外投資など通貨としての信用が無いため受け入れる国は拒否します。やはり外貨がほしい
中国の発展は国内企業による輸出で外貨を稼ぎ、それに相当する人民元を両替(印刷)で国内企業に渡す事で発展してきました
日本も戦後発展してきたのは同じ仕組みです
だいたい100ドル=1万円=2円(紙幣印刷コスト)なので国としては5000倍のぼろ儲けです
印刷したお金は企業に両替として渡し、両替で受け取った外貨(ドル)は国がもらう
この外貨を使って海外に投資したり石油などの自国に無い資源を買います
外貨を得る能力が弱まると石油が買えなくなり、経済発展は止まり、両替で自国通貨を印刷出来ないので国内も貧乏になります
公務員で最もお金がかかる軍隊に給与すら渡せなくなると、戦争が起きても戦わず逃げていきます
地方の将軍は自国の武器を兵器ブローカーに売って稼ぐようになり、私設軍隊化したり海外逃亡もするでしょう
国の崩壊の始まりです
デフォルトを起こしIMFのお世話になると中国の国営銀行は全て西側諸国(アメリカと日本)の配下に入り、資本主義化が進みます
トランプ大統領が進めている関税戦争も中国の輸出を減らす事で、外貨とくにドルを稼ぐ能力を落とし、「一帯一路」を止めにかかっています
中国の海外への投資方法は自国に外貨(ドル)が帰ってくるように、中国企業に仕事をさせて、人も自国から中国人を連れていきドルで支払い売上をさせます
その売上を中国国内に戻し両替して、また人民元を印刷します
2円で10000円の利益です。麻薬のような仕組みです
借金だけ負った国は返済が出来ないくらい借金をさせて、国としての倒産状態にし、実質的に植民地化していきます
「一帯一路」とは、文字からすると流通を設ける感じがするが、実は中国による植民地化政策です。友好国づくりではありません
地政学をよく知っている政治家はこのことをよく分かっています。分かっていない人は政治家になってはいけません
マスコミには関税を上げる事は自由貿易の妨げになると言っていますが、実際の行動はどの国も中国を市場開放させて儲けたいので関税戦争に乗っかります
中国が崩壊といっても小国にいつくか分解するでしょうが、潜在的な市場は崩壊しません。変わるのは党がつくった今までの仕組みが変わるだけです
最も資本主義経済で市場開放を望んでいるのは、中国人自身ですが、むさぼられる植民地化だけは避けたがっています
共産党はそうならないように戦っているのでしょう
多くの国境(14国)と広大な国土を抱えて、外洋は龍のような形の日本にフタをされた地形なので、政治的に統治するには、だれがトップになっても地理的な条件が変わらないので同じことをするでしょう
毛沢東さんだから習近平さんだからではありません。もしトランプさんが中国の党首だったら習近平と同じ事をしているでしょう