2021年9月
物づくりの小話し、あれこれ 第115 ためる(溜める)とたくわえる(貯える・蓄える)
物づくりの小話し、あれこれ 第115
115.ためる(溜める)とたくわえる(貯える・蓄える)
114.の小話しで、「ためる、たくわえる」という用語を使った。
「ためる」は ・1つのところへ集めておく。
・処置しないで、残してしまう。
・とどこおらせる。といった意味があり、
「たくわえる」は・後で役立たせるために、ためておく。という意味合いがある。
少し、ニュアンスが異なる。後者の「たくわえる」には、かなり意志が入っているように思える。
工程間バッファとか、整列ラインの沈み量とか、完成品の店がまえの大きさとか、は後者の意志
が少し入ったものである。
しかし、大事なことは、それを認めているわけでなく、絶え間なく「0」の世界へ、挑戦して
いくのが、かんばん方式なのである。
物づくりの小話し、あれこれ 第114 農耕民族だから、ためる(たくわえる)
物づくりの小話し、あれこれ 第114
114.農耕民族だから、ためる(たくわえる)?
定位置序止を守って、追込み作業をしないように!中間仕掛り品をもたないように!
バッファ数は、もっと減らせないか!完成品は、何故こんなに、必要なのか?
工程をスリムにして、問題点を顕在化させるために、このようなやりとりが行なわれる。
余裕をもって仕事をしていたいし、トラブルがあった時のフォローに、少しは安全代として置いて
おきたい。ましてや、仕様差や補給部品の抜き取りなどがあって、平準化が守れていないとなると
ますます“ためよう”とする。
「人に迷惑をかけたくない」という気持ちが働いているのである。
一般生活での「貯金」と変わらない。日本は農耕民族だから、“たくわえる”のはお手のものだ、
誰だって「貯金」しているでしよう!それをやめさせようとしても無理だよ!
このことで、悩んだこともあったが次のように考えることにした。
払たちの「貯金」も、福祉充実国となり、老後、養育、医療などの心配がなければ“たくわえる”
姿も変わる。
かんばん方式も同じだ。作業が遅れたらきっちりリリーフする、設備トラブルは即、直す。
平準化は守れている、挽回能力もある。こんな仕組み(福祉国家)をつくれば、ためたり、たくわ
えたり、はしなくなる。
生産現場は、「ためたり、たくわえたり」すると問題点は見えない。
また、一人工の仕事を与え続けていれば“たくわえる”ことは出来ないはずである。
“たくわえている”ことは他のロスがあることを教えている。
蛇足であるが、当方の家計は、かんばん方式そのもので、貯えはない。(ロスがありすぎても、た
まらない)