拡大してはいけないビジネス 追加<バイオマス発電>
森林から木を伐採して製材で柱や桁など造ります。
伐採や製材の過程で製品になり難い枝や曲がった木である間伐材の部分をボイラーで燃料として燃やし、発生した蒸気で発電する方法がバイオマス発電です。
木が成長するときに二酸化炭素を吸収して酸素を発生します。燃やすと酸素を使って二酸化炭素を排出します。
理屈ではプラマイゼロなので二酸化炭素は増加していないことになり、環境にやさしいとなっています。
もともと製品にならない材料なので燃料費としてはタダです。経済的に上手な燃料調達方法で考え方としては良いことです。
さらに、政府からバイオマス発電には設備投資に補助金もでますし、電力買い取りも太陽光発電より高い値段(32~40円kwh)で20年間固定価格で買い取ってもらえます。
そのため、急に事業として行う企業が増加し、規模も拡大する企業や自治体も出てきました。
そもそも余ったタダの材料を燃やすビジネスモデルなので、あっというまに、燃料である木が不足してきました。燃やすものが無いと発電できません。
現状では間伐材などの燃料の奪い合いで、なおかつ近年、住宅市場も減少して柱や桁が売れないのにも係わらず、燃料不足の為にムダに製材して在庫が多量に発生している企業もあります。
発電で儲かれば良しとして、本業の木材はついでに販売するような、市場を壊す価格破壊的な販売までするような企業や自治体も出てきました。
気が狂ったのか、本来、柱や桁の製品になる部分も燃やそうとするし、無断で間伐材以外の廃材や外国産の植物廃材を燃やして発電する業者も出始めました。
電力買い取り条件が国内産の間伐材などを燃料とする場合は買い取り価格が32~40円kwhなのですが、廃材や外国産の植物を燃料とすると13~17円kwhになります。
こうなると詐欺になります。海外から廃材を輸入して燃やすと日本の二酸化炭素量は増加するので環境破壊にもなります。
このように使い道の無い材料をエネルギーとして活用する志は善いのですが、拡大させると悪い事をする輩が出てきます。
バイオマス発電は「ついでにビジネス」です。拡大させてはいけません。