物づくりの小話し、あれこれ(著者 小林弘司様)
108.平準化ボックスは後工程を写しだすビデオモニタ
後工程の引きにあわして、タクト発生させるためのツールである。
後工程(納入先)が遠隔地で、2時間相当分のかんばんを仮に40枚持ち帰ったとしよう。
その40枚には、いろいろな型式がある。生産しているラインも異なっている。
Aラインで生産しているものが14枚あったとする。
10分間隔で引き取っているとすると、12舛あるので、1枚/1舛だと、2枚分不足する。
どこか2箇所だけ、2枚かんばんを入れざるをえない。
引取り間隔を8分にすると、15舛となのので、1舛分だけ空きがある。
これが30分間隔での引取りだとすると、4舛しかないので、1舛に3~4枚入ってしまう。
遠く離れていると、どんなペースで使われているか、時々刻々と解らないので、ライン別に再現
しているのが平準化ボックスである。ちょうどビデオモニタの役をしている。
引取りの間隔が大きすぎて、1舛にかんばんが多く入っているのは、コマ飛びのようなビデオで良
く見えない。
1舛1枚で、気持ちよく見える平準化ボックス(写りの良いビデオ)にしたい。
そうすると、仕事の進み遅れも、その他の課題も見えてくる。
引取り間隔(運搬の間隔)を極力小さくし、収容数も少なくする。ビデオの写りを鮮明にしていく
ことが1個づくりに繋がっていく。