キ-ワードって何のキー(鍵と錠)

著者: エイム研究所 矢野 弘

『問題意識を持て!』とよく言う人がいます。たしかに聞こえの良いフレーズですが、その前に志しや目的を持ってるのならば良いでしょう。これが無かったりハッキリしていないのに問題意識を持つと、目の前に現れた問題や過去の問題に対して解決する手段を今流行りのキーワードを当てはめて、あたかも特効薬のように信じ込んでしまいます。

 

IT,インターネット,JIT,サプライチェーンマネジメント,キャッシュフロー,シックスシグマ,ISO9000,14000,ちょっと前では顧客第一主義,TQC,TPM,古いのではFA化,CIM化,自動倉庫,無人搬送車,パソコン,マイコンなどなど

 

キー(鍵)の前に見つける物があります。どの扉を開けて次の場所にいきたいのか、その目的とそれを実現するために取り組む課題は何なのか・・・この課題がロック(錠)なのです。先程の言葉を言いなおすと『目的意識と課題の設定能力を持て!』となります。

 

扉についている錠(ロック)を見ずに鍵(キー)をやたら持って突っ込んでも開きはしません。先ずどのような錠なのかよく調べないといけません。この調べる行為が分析力なのです。

 

製造現場などでよく活用する標準作業票,組み合わせ票,流れ線図,PQ分析,工程経路図などすべて課題を見つけるための分析の手段であって、解決(改善)する手段であるキーではありません。

 

扉を開ける手段はロックに合うキーであったり、マスターキーであったり、ドライバーでこじ開けたり、内側から開けてもらったり、映画でよく見るシーンでは足で蹴飛ばしたり体当たりしたり、ピストルで壊したりと、どの手段(改善手段)を取るかは取る人の志しによって決まるがいくらでもあります。解決手段は一つではありません。

 

また開けたい扉は各社同じではありません。だからロックは各社さまざまなのでキーも同じではありません。もし同じ扉で争うならば競争になるが、かといってキーは同じである必要はないのです。

 

それで、ここで一言
『キーワードの前にロックワードを探せ』

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