楽をすると楽しくなくなる。楽しくするには楽はできない

著者: エイム研究所 矢野 弘

楽く(らく)と楽しい(たのしい)は同じ字を書くが「らく」と読めば「たのしい」と読めなくなり、「たのしい」と読めば「らく」と読めなくなる。つまり楽くをすると結果は楽しくなくなり、楽しくしようと思えば楽くをしてはならないのである。

 楽しみの大きさはそれに至る苦労の大きさに比例する。結果を楽しもうと思えば過程は訓練・努力・学習の苦労の積み重ねが必要で、その結果、望んでいる目標なり目的を達成でき楽しさが湧き出て来るのである。

 

楽くな状態とは心身が安らかで悩みがないことであり、悩みがないとは向上心や目標が無いのと同じである。目標とはその人にとって好きな事であるが、好きな事を見つけるためには、楽くをしては見つける事は出来ない。

 よく、高校生など思春期で「将来、何にになりたいか判らない」とか「自分はいったい何が好きなんだろう」と思っているのであれば、それは、「楽くして過ごそう」という思いからそうなっているのである。「何とか苦労せずに楽くができたらなぁ」という姿勢では好きな事など発見はできないのである。

 

好きな事は、たとえ他人から見て苦労しているように見えても本人は好きな事をしているのであるから苦労ではなく楽しんでいる状態なのである。そして、それは決して「楽く」はしていない。

 高校野球の優勝者に「楽(らく)でしたか?」と質問すると、決して楽くではないと言うでしょう。では、「楽しかったか?」と聞く、必ず「楽しいと」と応えるでしょう。好きな事は楽しいが、決して楽くではない

 

好きなこと(目的・目標)を実現する行為は過程も結果も楽しい。しかし、楽くではない。

 

 

ページ上部へ